お知らせ
2025年06月12日
興味ある論文3編 : 軸索の伸長, 再生医療, 乳癌術後
1) 木佐俊郎, 他: 脳卒中片麻の運動機能予後と拡散テンソルトラクトグラフィー(DTT)上の運動下行路(CST, CRP)・経脳梁線維(TCF)との関連.島根医学 44 (3): 31~40, 2025
要約: 回復期の脳卒中片麻患者49例に拡散テンソルトラクトグラフィー(DIT)描出を行い、上肢の麻連改善には病巣と同側の皮質路と病巣の反対側の皮質網様体路, 手の麻改善には病巣と同側の皮質路, 下肢の麻薄改善には病巣と反対側の皮質網様体路の役割が重要であった。経脳梁線維がみられるほうが、上肢・手・下肢の分離運動が進む症例が有意に多かった。
2) 峯田総介, 他: 再生医療と平行して行った持続的電気刺激下の促通反復療法と振動刺激の併用によってピアノ演奏が回復した脳幹障害の1例, 総合リハ 2024;52(12):1321-1325。
要約: 再生医療と促通反復療法との併用療法によって、ピアノ演奏とタイピング(79 → 155 文字/30秒)に大きな改善があった。
3) 黒田涼介, 川平和美: 肩関節機能障害とリンパ浮腫へ促通反復療法に持続的神経筋電気刺激と振動刺激を併用する併用促通反復療法が有効だった慢性期乳癌術後の1例. 総合リハ (印刷中: 53巻7号掲載予定)
要約: 1年前に左乳房部分切除術と腋窩のリンパ節郭清術による左肩関節機能障害とリンパ浮腫が従来のリハ治療(20分/週2回,12週)に較らべて, 促通反復療法に電気刺激と振動刺激を併用する併用促通反復療法(60分/週1回, 12週)で、大きく改善した.