お知らせ
2025年06月12日
乳癌術後の拘縮やリンパ浮腫が併用促通反復療法で改善
黒田涼介, 川平和美: 肩関節機能障害とリンパ浮腫へ促通反復療法に持続的神経筋電気刺激と振動刺激を併用する併用促通反復療法が有効だった慢性期乳癌術後の1例. 総合リハ (印刷中: 53巻7号掲載予定)
要約: 症例は50歳台の女性で,1年前に左乳房部分切除術と腋窩のリンパ節郭清術を受け,その後の左肩関節機能障害とリンパ浮腫への治療のため外来リハ治療を受けた. 従来のリハ治療(20分/週2回)を12週では著明な改善はなかったので, 促通反復療法に電気刺激と振動刺激を併用する併用促通反復療法(60分/週1回)を12週行った.障害の変化を従来のリハ治療の開始時,併用促通反復療法の開始時,その終了時の順に示す.肩関節可動域は外転が45°,60°,160°,肩関節関連の筋力(MMT)が2,2~3,4,疼痛(NRS)が8,7,2,リンパ浮腫が上腕基部の周径で26cm,25.5cm,24cm, DASHが46.6点,35.8点,7.5点と併用促通反復療法で大きく改善した.併用促通反復療法は乳癌術後の慢性肩関節機能障害とリンパ浮腫に効果的であった.