手指の麻痺を軽視, 回復期リハ病棟の 治療水準の向上を!!

2020年06月5日

手指の麻痺を軽視, 回復期リハ病棟の 治療水準の向上を!!

第56回日本リハビリテーション医学回学術集会, 教育講演, 2019年6月14日, 神戸
演者: 川平和美所長
 1)基本戦略は選択的神経路強化療法とニューラルモジュレーションの併用。
 *一部の回復期病棟は 「手指・上肢麻痺のリハビリテーションは行いません。退院後、自分で頑張って下さい」を基本方針としています。
 患者さんは入院予約の際に「手指・上肢麻痺の治療あり」の確認が大切です!!
回復期病棟に入棟後、転院することは大変です。

要約:
急性期、回復期、慢性期を問わず、脳卒中片麻痺へのリハビリテーション治療はニューラルモジュレーションと選択的神経路強化療法の併用を基本戦略とすべきである。これを基本戦略とする先端的リハビリテーション治療は大きな治療効果を示しているが、いまだに「片麻痺は改善しない」あるいは「回復期病棟の目的は歩行とADLの改善、入院期間短縮であって、片麻痺上肢へのリハビリテーション治療は重要でない」との考え方も残っている。
 片麻痺上肢へのリハビリテーション医療の発展・普及のために選択的神経路強化法の代表として促通反復療法を基盤とする先端的リハビリテーションを紹介する。
 「Use dependent」の正確な解釈は「麻痺手に目標の運動を実現・反復(目標の運動路に興奮伝達を反復)すれば、その回数に応じて、目標の運動が回復する」であって、「麻痺手を使えば麻痺が回復する」ではない。
 つまり、効率的な麻痺の回復には「まず目標の運動を試行錯誤なしに実現する」ことが求められる。促通反復療法は治療者が促通操作によって目標の神経路(個々の指の運動や物品操作、歩行、ADLに関与)を指定することで、良好な治療効果と患者負担の軽減を実現している。
 促通反復療法とニューラルモジュレーション(電気・振動・磁気刺激やボツリヌス療法など)の併用療法が大きく治療効果を向上させている。
 今後、これらの併用療法の研究開発を進める必要がある。