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2022年09月17日

興味深い論文7編と優れた総説1編 

興味深い論文7編と優れた総説1編

1)Kimura N, Sato M, Kobayashi Y & Naito E: Augmented activity of the forearm extensor muscles induced by vibratory stimulation of the palm of the hand in individuals with subacute post-stroke hemiplegia. Brain Injury, DOI: 10.1080/02699052.2022.2048694
要約: 片麻痺手掌への振動刺激(60秒)は総指伸筋の活動を促進し、開眼が閉眼より効果的であった。非麻痺側手掌への振動刺激も同様の効果があった。促通反復療法と振動刺激の併用が効果的であるメカニズムが明らかにされた。

2) Ohnishi H, Miyasaka H, Shindo N, Ito K, Tsuji S, and Sonoda S: Effectiveness of Repetitive Facilitative Exercise Combined with Electrical Stimulation Therapy to Improve Very Severe Paretic Upper Limbs in with Stroke Patients: A Randomized Controlled Trial. Occupational Therapy International Volume 2022, Article ID 4847363, 9 pages https://doi.org/10.1155/2022/4847363
要約: 重度手指麻痺(SIASのFinger-Function test; zero or 1a: BRSのIII以下)の99名を対象にリハ治療20分 (通常リハ、電気刺激、促通反復、電気刺激下の促通反復)の効果比較をランダム化比較試験で行った. 基本的リハ治療40分は各群とも共通である. 麻痺(FAM)の改善は電気刺激下の促通反復が通常リハより有意に大きかった.

3) Hoei T, Kawahira K, Shimodozono M, Fukuda H, Shigenobu K, Ogura T, Matsumoto S: Repetitive facilitative exercise under continuous electrical stimulation for recovery of pure motor isolated hand palsy after infarction of the “hand knob” area: A case report. Physiotherapy Theory and Practice, DOI: 10.1080/09593985.2022.2042633
要約: 上肢単麻痺は予後が良いとされているが、機能障害が残る例も多い. 発症後1カ月まで麻痺が残った単麻痺例に持続的電気刺激下の促通反復療法と通常治療をクロスオバーで行った所、麻痺の改善は促通反復療法の期間にのみあった。

4)城之下 唯子, 河村 健太郎, 比嘉 那優大, 衛藤 誠二, 下堂薗 恵: 大脳基底核部ジャーミノーマによる上肢麻痺例への作業療法の経験. 総合リハビリテーション 50 (5): 503-508, 2022
要旨: 大脳基底核部のジャーミノーマによる麻痺は機能回復は困難とされるが, 今回,初発時と再発時の放射線治療と化学療法と同時に複合的な作業療法(促通反復療法や課題指向型アプローチ,振動刺激痙縮抑制法,他)を継続し上肢機能の良好な結果を得た.

5) 豊栄 峻, 松元 秀次, 松原 貴哉, 川平 和美: 母指に限局した運動麻痺に対して持続的神経筋電気刺激下の促通反復療法を実施した脳卒中急性期の一例. 作業療法 (印刷中)
要約: 脳梗塞急性期例の限局した運動麻痺に対して,第6病日から左母指に持続的 神経筋電気刺激(母指の対立: 短母指屈筋,掌側外転: 短母指外転筋,橈側外転: 長母指伸筋)下の促通反復療法を行い, 1週間の治療で,物品操作能力 (ARATの改善量: 9点,NHPTの改善量: 176秒 )の改善があった.

6) 黒田涼介,  金原賢児,  米加田龍哉,  清水健志,  加藤紀彦,  川平和美: 骨折後の肩関節拘縮に対して持続的電気刺激と振動刺激を併用した促通反復療法が有効だった上腕骨近位端骨折の一例. 総合リハ 50 (9): 1127-1130, 2022
要約:  従来のリハ治療では改善が少なかった上腕骨近位端骨折後の肩関節拘縮に対して, 電気刺激と振動刺激併用の促通反復療法を実施した所, 可動域制限と疼痛, 骨折肢の日常生活活動を大きく改善した. *電気・振動刺激併用の促通反復療法が骨関節疾患へも有効であることを初めて報告。

7) 黒木一気、豊栄峻、福田秀文、重信恵三、川平和美: 軽度上肢麻痺を呈した回復期脳卒中患者に対する持続的神経筋電気刺激下の促通反復療法とTransfer Packageの併用治療を実施した一例. 作業療法 41: 348-355, 2022
要約: 上肢麻痺の改善に関わらず麻痺肢を使用しない例に促通反復療法にTransfer Package(10分間)を併用すると, MALの使用の頻度と質に改善があった。

8) 和田善行: 運動学・神経学エビデンスと結ぶ脳卒中理学療法. 手指運動学と脳卒中理学療法, 関節運動学. 中外医学社, PP 81- 92, 2022.
要約:  手の機能解剖から促通反復療法の理論と電気刺激併用療法の詳細を分かり易く説明している。