お知らせ
2023年06月1日
興味深い論文7編, 中国語RCT論文追加
興味深い論文7編
1) 峯田総介, 溝口隆太, 佐々木由紀恵, 遠藤敏, 進藤順哉, 川平和美: 促通反復療法によって手指運動機能障害が改善した自閉症を伴う発達運動障害の1例. 作業療法ジャーナル 57 (5): 532-536, 2023
研究所からの最初の症例報告
要旨: 自閉症を伴う16歳の発達運動障例に, 1日110分の持続的神経筋電気刺激下の促通反復療法を連続5日間行い,小さい揃った文字の書字が可能となった.その後も1カ月2回の継続治療を18カ月行い, 手指を含む上肢機能と描画や姿態の模倣を含む構成行為, 歩行の改善があった.促通反復療法は意図した運動の実現と反復を容易して, 運動障害を改善することから,発達運動障害への効果的な治療法となる可能性がある.
2) Pang Zhengzheng,Ji WaItZCp,Zhang Huan,el: Effect of repeated transcranial magnetic stimulation combined with repeated facilitation therapy on the rehabilitation of upper limb motor function in stroke patients. Chinese Journal of Rehabilitation,2022. 37 (8): 464 – 467. 中国語のRCT論文
片麻痺上肢運動機能への反復促進療法 (Chuanping 療法) +反復経頭蓋磁気刺激 (rTMS) (35名)と通常リハ治療+反復経頭蓋磁気刺激 (rTMS)(35名)の効果をRCTで検証. 反復促進療法+rTMSの併用は通常リハ+rTMSより有意に, 運動機能(FAM, MAS)と日常生活活動(BI)を改善した.
3) Kimura N, Sato M, Kobayashi Y & Naito E: Augmented activity of the forearm extensor muscles induced by vibratory stimulation of the palm of the hand in individuals with subacute post-stroke hemiplegia. Brain Injury, DOI: 10.1080/02699052.2022.2048694
要約: 片麻痺手掌への振動刺激(60秒)は総指伸筋の活動を促進し, 開眼が閉眼より効果的であった. 非麻痺側手掌への振動刺激も同様の効果があった. 促通反復療法と振動刺激の併用が効果的であるメカニズムが明らかにされた.
4) Ohnishi H, Miyasaka H, Shindo N, Ito K, Tsuji S, and Sonoda S: Effectiveness of Repetitive Facilitative Exercise Combined with Electrical Stimulation Therapy to Improve Very Severe Paretic Upper Limbs in with Stroke Patients: A Randomized Controlled Trial. Occupational Therapy International Volume 2022, Article ID 4847363, 9 pages https://doi.org/10.1155/2022/4847363
要約: 重度手指麻痺(SIASのFinger-Function test; zero or 1a: BRSのIII以下)の99名を対象にリハ治療20分 (通常リハ、電気刺激、促通反復、電気刺激下の促通反復)の効果比較をランダム化比較試験で行った. 基本的リハ治療40分は各群とも共通である. 麻痺(FAM)の改善は電気刺激下の促通反復が通常リハより有意に大きかった.
5) Hoei T, Kawahira K, Shimodozono M, Fukuda H, Shigenobu K, Ogura T, Matsumoto S: Repetitive facilitative exercise under continuous electrical stimulation for recovery of pure motor isolated hand palsy after infarction of the “hand knob” area: A case report. Physiotherapy Theory and Practice, DOI: 10.1080/09593985.2022.2042633
要約: 上肢単麻痺は予後が良いとされているが、機能障害が残る例も多い. 発症後1カ月まで麻痺が残った単麻痺例に持続的電気刺激下の促通反復療法と通常治療をクロスオバーで行った所、麻痺の改善は促通反復療法の期間にのみあった。
6) 豊栄 峻, 松元 秀次, 松原 貴哉, 川平 和美: 母指に限局した運動麻痺に対して持続的神経筋電気刺激下の促通反復療法を実施した脳卒中急性期の一例. 作業療法 41 (5): 602-609. 2022
要約: 脳梗塞急性期例の限局した運動麻痺に対して,第6病日から左母指に持続的 神経筋電気刺激(母指の対立: 短母指屈筋,掌側外転: 短母指外転筋,橈側外転: 長母指伸筋)下の促通反復療法を行い, 1週間の治療で,物品操作能力 (ARATの改善量: 9点,NHPTの改善量: 176秒 )の改善があった.
7) 黒田涼介, 金原賢児, 米加田龍哉, 清水健志, 加藤紀彦, 川平和美: 骨折後の肩関節拘縮に対して持続的電気刺激と振動刺激を併用した促通反復療法が有効だった上腕骨近位端骨折の一例. 総合リハ 50 (9): 1127-1130, 2022
要約: 従来のリハ治療では改善が少なかった上腕骨近位端骨折後の肩関節拘縮に対して, 電気刺激と振動刺激併用の促通反復療法を実施した所, 可動域制限と疼痛, 骨折肢の日常生活活動を大きく改善した. *電気・振動刺激併用の促通反復療法が骨関節疾患へも有効であることを初めて報告。