興味ある論文2編 : 新たな失調抑制法, 慢性期片麻痺の軸索改変

研究会 2025年12月31日

興味ある論文2編 : 新たな失調抑制法, 慢性期片麻痺の軸索改変

1) 荻由梨香,他: 等尺性筋収縮失調抑制法と併用促通反復療法,課題指向型訓練で上肢失調とADLが改善した小脳性運動失調の 1例. クリニカルリハ (印刷中) 新しい小脳性運動失調症への治療法である等尺性筋収縮失調抑制法を報告した. 症例: 50代の女性. 小脳出血による左上下肢の運動失調へのリハ治療として, 神経筋電気刺激と振動刺激を併用した促通反復療法と,等尺性筋収縮失調抑制法と課題指向型ADL訓練を行った.結果: 小脳失調はSARAが 25点から6点へ, 左上肢の物品操作能力はSTEFが 6点から62点へ, ADLはFIM が62点から106点へ改善した. 等尺性筋収縮失調抑制法を含むリハ治療によって, 運動失調と物品操作能力,  ADLの向上があった.

 

2) Kisa T, et al:: 促通反復療法を含む 1 か月の集中リハビリテーションによって皮質脊髄路と皮質網様体路に変化がみられた発症後 5 年の脳卒中片麻痺の 2 例.  Jps J  Compr Rehabil Sci 16: 60-67,  2025. 【背景】脳卒中片麻痺の慢性期に拡散テンソルトラクトグラフィー(DTT)を追跡した症例報告はない.【症例】発症後5 年の脳卒中片麻痺 2 例に促通反復療法とフェノールブロックを含む 1 カ月の集中リハ治療を行い,痙縮と麻痺の改善を得た.両例とも,集中リハ前のDTT で病巣側の皮質脊髄路(CST)が描出されていなかったが,治療後には CST に描出された.第 1 例では 5 年間で経脳梁線維(TCF)と経橋線維(TPF)が増えていたが、治療後は皮質網様体路(CRP) が減少した.第 2 例では TCF が密となり対側の CRP が著増した.【意義】片麻痺陳旧例における DTT の集中リハ前後での変化は可塑性発現と速さと大きさを示している.

英文タイトル: Two cases of hemiplegia at 5 years post-stroke onset showing changes in corticospinal and cortico-reticular pathways after 1 month of intensive rehabilitation including repetitive facilitative exercise.